2011年2月16日水曜日

「日本=貿易立国」論への疑問~なぜ、安く売って高く買うのか?――熊野英生・第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト|経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層|ダイヤモンド・オンライン

ドメスティックな商売をしている人は、
うすうす感づいているはず。
輸出産業優遇策への嫉妬だけじゃないよ。


 これは、輸出側では電気機械などが輸出品のプライスダウンをするために、「価格×数量=売り上げ」で見て、数量増ほどは売り上げが伸びにないことが原因である。日本の輸出品目の7割を占めている自動車・電気機械・工作機械などの加工業種は、コストダウンによって競争力を発揮する。

 一方、輸入側では、食料・原材料・鉱物性燃料が国際商品市況の高騰によって価格上昇し、輸入数量を増やせないまま、輸入金額だけが大きく膨らんでいる。そのため、輸入は名目GDPよりも実質GDPが大きく下回るような状況になっている。

 つまり、日本は輸出では製品を安く売り、輸入では原材料などを高く買っていることになっており、全体の採算性は悪化していることを意味する。


「日本=貿易立国」論への疑問~なぜ、安く売って高く買うのか?――熊野英生・第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト|経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層|ダイヤモンド・オンライン